静岡県磐田市の中東遠消防指令センターが昨年10月、同県掛川市の50代男性の家族から「2日間ぐらい動けない」と119番を受けたが救急車を出動させず、男性がその後死亡していたことが29日、関係者への取材で分かった。約5時間半後に再度通報を受けて向かったが既に心肺停止状態だった。対応した係はてん末書で「緊急ではないという先入観にとらわれた」「容体を詳細に聴取すべきだった」などとした。
関係者によると、昨年10月15日午後5時25分ごろ、男性の母親から「動けない。足を痛がっている」などと通報を受けたが、指令員は容体を詳しく聴かず緊急性がないと判断。サイレンを鳴らさずに来てほしいとの要望や搬送先の指定もあり、介護タクシーなどの利用を勧めた。
約5時間半後、母親から「容体が悪化して、もうほとんど動かない」と再度通報を受け、腹痛による急病と判断し救急搬送したが、病院で死亡が確認された。