消費者安全調査委員会(消費者事故調)は29日、車いすのまま乗れる自動車で、衝突や急ブレーキなどによって車いす利用者が転倒し、死亡する事故が繰り返し起きているとして、再発防止のための調査を開始すると発表した。事故調によると、事故は20年以上前から発生し、今年も既に3件確認。原因が明らかになっておらず、行政の総合的な安全対策もないという。
車いすを積載できる自動車は医療や介護現場で送迎に利用されており、高齢者や障害者といった人が主に被害を受けることなどから、横断的な調査が必要と判断した。
個別の事故では、車いすが車両と固定されていない、シートベルトが体に密着していないなど、適切な使用がされていなかったケースがある一方、車両の構造的にシートベルト着用が困難な場合もあり、人の注意だけで解決できない可能性があるという。