自動物流道路のイメージ

 国土交通省は30日、人手を使わず荷物が運べる「自動物流道路」による搬送速度を時速70〜80キロとする方針を固めた。2030年代半ばに東京―大阪の一部区間への導入を目指す。東京以外の関東地方や兵庫県などに広げることも検討する。31日に開く有識者会議で示す最終報告書案に盛り込む。

 自動物流道路は、高速道路などの中央分離帯や路肩、地下に専用レーンを設け、無人カートを走らせる構想。国交省はこれまで時速30キロとのイメージを示していた。70〜80キロが実現すれば、現在の貨物トラックと同程度の速度となる。

 最終報告書案によると、自動物流道路は24時間稼働を想定。30年度に足りなくなると試算する輸送量約9億トンの8〜22%をカバーできると見込む。物流分野での二酸化炭素(CO2)排出量の大幅削減も期待する。

 30年代半ばまでの導入を想定しているのは、小規模な改良で対応できる区間など。前段階として27年度までに、新東名高速道路で建設中の新秦野(神奈川県)―新御殿場(静岡県)でカートの走行実験をする。