SBI新生銀行のロゴ

 SBI新生銀行は31日、前身の日本長期信用銀行(長銀)時代に注入された公的資金を完済した。他の大手金融機関が順次返済を終える中、約2300億円分が大手行として唯一残っていた。バブル経済の崩壊で国を挙げて多額の不良債権処理に追われた「平成の金融危機」への対応が、四半世紀を経てようやく終結を迎えた。

 親会社のSBIホールディングス(HD)が、SBI新生銀の株式を政府系の預金保険機構などから買い取る形で負担。SBI新生銀は経営の自由度が高まることになり、攻めの経営に転じる。年内にも東京証券取引所に再上場する見通しだ。

 バブル期に高騰した地価が暴落し、不動産を担保に融資した金融機関は多額の不良債権を抱えた。景気の低迷も重なり、資金繰りが悪化した北海道拓殖銀行や山一証券が1997年に相次ぎ経営破綻。長銀も98年に破綻に追い込まれ、一時国有化された。

 3メガバンクやりそなホールディングスなどが完済した一方、長銀は新生銀行に衣替えした後も業績が低迷し、返済が滞った。