少子化や大学入試改革で今、高校を取り巻く環境は大きく変化しています。岐阜県内の高校はどう対応していこうとしているのでしょうか。岐阜新聞デジタルは各校の校長らトップにインタビュー。今回は、加茂農林高校(美濃加茂市)の金本淳校長(58)です。専門高校というと、卒業後は就職する生徒が多いイメージですが、近年は6割が進学を選ぶといいます。広大な敷地の中で、さまざまな「いのち」と向き合う授業を通して、生徒たちはその奥深さ、難しさに触れ、自らが進む道を見定めていきます。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

加茂農林高校 所在地は美濃加茂市本郷町。明治45年開校の全日制農業高校で、生産科学、食品科学、森林科学、環境デザイン、園芸流通の5学科からなる。1学年の定員は各学科40人の計200人。
―特色は。
農業の専門学校で、生産科学、食品科学、森林科学、環境デザイン、園芸流通の5学科がある。「いのちを育み そして いのちから学ぶ」というスローガンの下、5学科がそれぞれの視点でいのちを育み、そこからの学びを展開している。
生産科学は動物の飼育や植物の栽培を、食品科学は食品の製造や分析を、森林科学は森林保全や資源活用を、環境デザインは造園・土木や都市環境を、園芸流通は園芸植物の栽培や農産物の流通を学んでいる。
興味のある分野を学ぶ生徒たちは、非常にいい目をしている。地域との関わりも大きく展開しているので、人とのコミュニケーション能力が培われる。自然にあいさつができる、素直で明るい生徒たちが多いと感じている。
かねもと・あつし 可児市出身。教科は国語。教諭として加茂農林高に6年間勤務。可児高等での勤務を経て、関商工高定時制、加茂農林高で教頭を務め、2024年度から現職。
ーカリキュラムは。
入学時から学科が分かれており、1年次から専門領域の科目が組み込まれているため、より学びを深められるのが特長。
一つの学科の中にもいろんな視点がある。例えば、...