少子化や大学入試改革で今、高校を取り巻く環境は大きく変化しています。岐阜県内の高校はどう対応していこうとしているのでしょうか。岐阜新聞デジタルは各校の校長らトップにインタビュー。今回は各務原西高校の杉江祐子校長(59)にうかがいました。同校は県内でも人気校。ことし3月に実施された入試では、最終倍率は県内の普通科で最も高い1.29倍になりました。なぜ人気なのでしょう。進学実績、交通の利便性の良さなどが考えられますが、杉江校長が挙げた最大の要因は「生徒の優しさ」でした。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

各務原西高校 所在地は各務原市那加東亜町の県立全日制普通科高校。1983(昭和58)年創立、1996(平成8)年度に単位制高校に改編された。1学年の定員は本年度から240人。愛称は「かくにし」または「にしこう」。名鉄新那加駅、JR那加駅から徒歩7分。
―各務原西高校の特徴を。
本校は1996年、県内で最初の単位制高校となった。交通の利便性がよく、全県一区になった。現在、単位制は県内で25校ぐらいあるが、本校が最初ということもあり、多様な生徒が門をくぐってきた。
国際的に活躍するピアニスト上原彩子さんや、パリ五輪総合馬術団体で銅メダルを獲得した戸本一真さんも単位制移行後の生徒だ。今も生徒の6割が各務原市外から通っている。
―単位制の学びとは。
「授業、何よりも授業」だ。単位制高校もいろいろあるが、本校は昔から規律ある単位制普通科高校を名乗っている。規律ある学習指導が本校の生命線だ。
20人から30人の少人数授業を行っている。2年次から選択履修科目が多くなり、国公立理系、私立文系など生徒の進学希望に合わせてコースを選択する。芸術学部進学希望者向けのコースもあり、普通科では珍しくソルフェージュ(楽譜の読み込み)の授業がある。
すぎえ・ゆうこ 岐阜市出身で、教科は国語。大垣北高校教頭、池田高校教頭、関有知高校校長を経て2024年度から現職。各務原西高校での勤務は12年目。
―進学実績は。
令和7年度入試では、国公立大学に現役で62名が合格した。
内訳は名古屋大学1名、岐阜大学16名、...