左右、緩急、高低を駆使した3D投球で選抜覇者打線を抑え込め―。第107回全国高校野球選手権第13日は19日、甲子園で準々決勝4試合が行われる。16年ぶりにベスト8に進出した県岐阜商は第3試合で選抜優勝校の横浜(神奈川)と対戦する。勝てば、藤井潤作監督が副部長だった2009年以来16年ぶりのベスト4。甲子園夏1大会4勝は、優勝した1936年の5勝に続き、エース清沢忠彦を擁して準優勝の1956年並ぶ県勢2位の勝利数。夏の通算勝利数は43勝となり、大阪桐蔭を抜く歴代単独10位、春夏通算では91勝目となる。県岐阜商ナインは18日、兵庫県西宮市の鳴尾浜臨海公園野球場で2時間の練習に励み、準々決勝に備えた。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

横浜戦を明日に控え、真剣なまなざしで監督の話を聞く県岐阜商ナイン=18日午後1時39分、兵庫県西宮市、鳴尾浜臨海公園(いずれも撮影・坂井萌香)

◆ワンランク上の投球術が必須に

 選抜覇者横浜の強さは、2年生エース織田翔希を軸にした投手力もあるが、何と言っても打撃力。昨秋の各地区覇者が集う明治神宮大会のころから全国でも破格のスケールを誇示してきた。

 「七回くらいまで3点以内に抑え、終盤勝負に持ち込みたい」とジャイアントキリングのプランを練る県岐阜商藤井監督。そのためにも「相手打線をいかに抑えるか」が最大のゲームのポイントとなる。

 3回戦の明豊(大分)戦は2年生エース柴田蒼亮の疲労と今後の球数制限を考え、ほかの投手がいかに柴田の負担を減らすかに重点を置いた投手起用を敢行。遅れてきた2年生左腕渡辺大雅の4回無失点の好投で、柴田の炎のリリーフにつなげた。

横浜戦を明日に控え、ランニングをする柴田=鳴尾浜臨海公園

 横浜戦は王道でいけば、柴田の先発完投が理想だが、横浜は1番から左がずらりと並ぶ県岐阜商以上の超左打線。渡辺大雅ら左...