鍛治舎巧前監督の秘蔵っ子左腕渡辺大雅が無失点好投し、バトンを受けたエース柴田蒼亮がねじ伏せる。第107回全国高校野球選手権第12日は17日、甲子園で3回戦4試合を行い、県岐阜商は明豊(大分)に3―1で競り勝って、16年ぶりのベスト8、記念の甲子園春夏通算90勝目を挙げた。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

明豊×県岐阜商=2回表明豊、力投する渡辺大=甲子園球(撮影・坂井萌香)

 ◆鍛治舎監督期待の2年生左腕・渡辺大が救世主に

 2試合で269球を投げ、中1日。エース柴田を少しでも休ませるために、ほかの投手陣でつなぎ、少しでも柴田の負担を減らす。そのために自慢の打線が相手左腕エース寺本悠真を打ち崩し、得点を重ねて、有利に進める。だが、試合は、藤井潤作監督が思い描いていたこのプランとは全く異なる展開となった。

 立ち上がりこそ、5番宮川鉄平の先制2点二塁打、7番横山温大の適時打で3点を挙げて寺本を攻略。3回戦も猛打爆発かと思われたが、立ち直った寺本にコーナーを突かれ、緩急を織り交ぜられて、なかなか追加点が取れない。

 だが、この窮地に救世主が現れた。甲子園で急きょベンチ入りした背番号20。2年生左腕渡辺大雅だ。...