おじさんには、おじさんの食べたいものがある。「俺たちの岐阜メシ」は、岐阜市在住の食通・山本慎一郎さん(山本佐太郎商店社長)が、年間300日以上の外食生活で出会った“リアル岐阜メシ”を語る連載企画です。第3回は「菊川酒蔵」。柳ケ瀬本通りにある、老舗居酒屋です。安くてうまくて渋い。おじさんになってよかった、と思わせるあの名店に潜入しました。(原則月1回掲載。岐阜新聞デジタル独自記事です)

 

第1回は 「ジャマチヨのオリーブ丼」

第2回は「​鮎の新しい食べ方」

 ◆午後5時の開店と同時に満席

 「水は渇をいやし、酒は心を創り、肴は体をつくる」。

 令和2年暮れの箸袋に書いてあった名文句。菊川酒蔵は柳ケ瀬を代表する名居酒屋である。

 高齢化に伴いピークタイムが早くなり、午後5時の開店と同時に満席となる。カウンターでのひとり呑みから座敷での宴会まで使い勝手がよい。50才の僕は親父に連れられ10才の頃より40年通っている。

 壁一面に貼られたメニュー。生搾りグレープフルーツ酎ハイで始めるのが定石。

壁一面に貼られたメニュー(左)と、生搾りグレープフルーツ酎ハイ(右)=2020年12月撮影

 どぜうの唐揚げをつまみながら、ビギナーにはガリバーサラダで驚いてもらう。

 こん唐は、だしのしみた蒟蒻(こんにゃく)を花鰹の衣で揚げた逸品。...