東京電力福島第1原発の敷地に林立する保管タンク=2024年2月

 東京電力が福島第1原発にたまる処理水の海洋放出を開始してから24日で2年となった。これまでに約11万トンを海に流したが、放出前に敷地に約千基あった保管タンクのうち解体したのは11基にとどまる。周辺の海水などに異常は確認されず、中国は放出を受け停止していた日本産水産物の輸入を再開すると今年6月に発表した。ただ、福島など10都県産は引き続き対象外で、日本政府は早期の規制撤廃を求める。

 政府は2021年4月、原発の敷地を占有する保管タンクが廃炉作業の支障になるとして、処理水の海洋放出を決定した。漁業者が反対する中、東電は23年8月に放出を開始。本年度は約5万4600トンを7回に分けて放出する計画で、51年までに全ての放出を完了するとしている。

 敷地では今年2月、処理水の放出開始後、初めてとなる保管タンクの解体を始めた。計画では21基を撤去し、約2900平方メートルの跡地には事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)を取り出すための関連施設を設置する。