1992年3月、仮設住宅の視察に訪れた宮沢喜一首相(中央)を案内する鐘ケ江管一島原市長(左)=長崎県島原市

 1990年の長崎県の雲仙・普賢岳噴火以降に災害対応を指揮し、「ひげの市長」として知られた元島原市長の鐘ケ江管一さんが22日夜に肺炎のため94歳で亡くなったことを受け、地元関係者から23日、悼む声が上がった。災害資料を展示する「雲仙岳災害記念館」(島原市)の杉本伸一館長は「思いを継いで災害の記憶と教訓を伝えていく」と決意を新たにした。

 市長在任中に始まった一連の噴火では、91年6月に大火砕流が発生し、地元の消防団員や報道関係者ら43人が犠牲になった。「山が沈静化するまで」と願掛けでひげを伸ばし続け、防災や復興対策に尽力。退任後は災害記念館の名誉館長も務めた。