「勇気をもらった」「これぞウチナー(沖縄)魂」。沖縄尚学高が、米軍統治下だった1962年夏の甲子園大会初出場から60年余り、ついに頂点に立った。地元から声援を送った市民や学校関係者は23日、15年ぶりの沖縄県勢優勝に熱狂の渦に包まれた。
県民の台所として親しまれる那覇市の第一牧志公設市場。勝利が決まると、テレビ観戦していた人々は抱き合い、手踊り「カチャーシー」を舞う人もいた。
海ブドウ専門店の店員大城有希さん(39)は「18歳に戻った気分。地元の皆で家族のように応援できたのがうれしい」と涙ながらに語った。漬物店を営む玉城康鷹さん(42)は「いつも冷静な末吉(良丞)投手が、最後にマウンドでガッツポーズをした瞬間はすごく感動した」と目を細めた。
同市の沖縄尚学高講堂には約600人の在校生や卒業生らが集まり、一打席ごとに大きなエール。優勝後の校歌斉唱では、甲子園にいる選手と共に、生徒らが肩を組んで声を張り上げた。
太鼓をたたいて盛り上げた3年登川友喜さん(17)は「勇気を与えてくれてありがとう」と声を弾ませた。