国土交通省が、老朽化した上下水道管を取り換える更新工事を行う自治体への補助金を2026年度に拡充する方針を固めた。災害時の物資輸送に使う「緊急輸送道路」の地下にある配管や、漏水すると住民生活に大きな影響が出る主要な配管を対象に追加する。埼玉県八潮市の道路陥没事故を受け、対策を急ぐ。26年度予算の概算要求案に関連経費を盛り込む。関係者が24日、明らかにした。
上下水道事業を運営する自治体などが、交換する配管の選定や工事を担う。古い配管の耐久性が低下し、漏水するリスクが高まる中、人手や財源が不足して工事が進んでいない。国交省は、補助金の対象を広げて活用しやすくし更新を促す。
事故や災害で配管が損傷した場合でも、水の供給を続けられるようにする取り組みも後押しする。
能登半島地震の大規模断水や八潮市の陥没事故を受け、政府は6月に国土強靱化次期計画を決定し、直径2m以上で損傷リスクが高い下水道管の更新を30年度までに完了させるといった目標を掲げた。達成に向け、支援を充実させて取り組みを推進する。