イタリア・リミニのイベントで登壇した箕牧智之さん(中央)と朝長万左男さん(左)=25日(共同)

 【リミニ共同】昨年ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の代表委員箕牧智之さん(83)らが25日、イタリア北部リミニで開催されたイベントで講演した。広島と長崎への原爆投下から今月で80年。箕牧さんは「人類は過ちから学ぶ必要がある。地球上から核兵器を廃絶しなければならない」と訴えた。

 箕牧さんは3歳の時に疎開先だった広島で被爆した。昨年12月のノルウェー・オスロで開かれたノーベル平和賞授賞式では他の代表委員らと登壇し、メダルと賞状を受け取った。

 箕牧さんらは被爆体験を語り継ぐ努力を続けているが、被爆者の平均年齢が86歳に達していることに言及。「次世代が原爆の恐ろしさを十分に理解し、われわれの活動を引き継いでくれることを願っている」と語った。

 講演には、2歳の時に長崎で被爆し原爆後障害の研究を続けている医師の朝長万左男さん(82)も参加。「長崎を最後の被爆地にしないといけない」と呼びかけると、会場から大きな拍手が起きた。