【ワシントン共同】米東部メリーランド州の連邦地裁が最高裁判例に反して不法移民の国外追放の一時停止を命じているとして、トランプ政権が地裁を相手取った異例の訴訟で、審理を担当した別の州の連邦地裁判事は26日、政権の訴えを退けた。判事は「司法権の行使を巡り行政機関が司法機関を訴えるのは普通ではない」と苦言を呈した。
判事は、政権側がメリーランド州の連邦地裁の判断に適正な手続きで異議を唱えるのではなく、地裁の判事15人全員を訴えるという「対立的な道」を選んだと指摘。政権の訴えを認めることは「憲法上の伝統を逸脱し、法の支配を損なう」と判断した。
判事はトーマス・カレン氏。