石破茂首相と、来日するインドのモディ首相が29日の会談に合わせ、両国の連携強化を確認する共同声明を発表することが分かった。(1)防衛・安全保障協力(2)経済連携の強化(3)人的交流―を重点分野に位置付け、今後10年の具体的な協力の方向性を示す「共同ビジョン」も策定する方向だ。複数の日本政府関係者が27日明らかにした。
共同声明では、米国とオーストラリアを含めた4カ国の協力枠組み「クアッド」に関し「永続的な地域グループに発展している」と評価。さらなる協力推進を明記する方向。日本政府は、中国による東・南シナ海での覇権主義的な行動を念頭に、力による一方的な現状変更への反対や、海上での危険な行動への深刻な懸念を明記したい意向で、調整を進めている。
共同ビジョンは経済安全保障、モビリティー(移動手段)、人的交流といった八つの優先分野を設定。インドへの民間投資を今後、10兆円規模とすることや、日印双方の人材交流を5年間で50万人に増やす目標を盛り込む。