山上徹也被告

 2022年の安倍晋三元首相銃撃事件で殺人罪などに問われた山上徹也被告(44)の公判を前に、旧統一教会の影響や家庭環境を審理するため、弁護側が母親や宗教学者ら5人の証人尋問を求めたのに対し、検察側が「必要性がない」などと反対したことが30日、関係者への取材で分かった。

 母親は教団に多額の献金をして破産し、被告は教団への恨みから安倍氏を狙ったと供述したとされる。10月28日に奈良地裁で初公判を迎える裁判員裁判では情状面が争点の一つになる見通し。

 関係者によると、弁護側は教団の教義や活動内容を審理することで「被告の成育環境や動機を理解できる」と主張。母親の数時間にわたる尋問や、被告と面会を重ねている宗教学者らの出廷、「被告の育った状況を多角的な観点から理解するため」として、妹の証言も必要だと訴えた。

 検察側は、成育歴を過度に考慮すべきではなく、母親の尋問は「簡潔な証言で十分」として時間削減を求めた。妹は動機と関連がなく、審理で教義に踏み込むのは不適切だとした上で、宗教学者らの尋問は公判の趣旨から外れると主張した。