息子の手を握り、公園を散歩するシングルマザー(本文とは関係ありません)

 埼玉県の食料支援団体を利用するひとり親の半数超にうつや不安障害が疑われることが、明治大公共政策大学院の大山典宏専任教授らの調査で分かった。経済的に苦しいひとり親が精神的にも追い詰められている実態が浮き彫りになった。大山専任教授は行政によるカウンセリングなどメンタルケアの必要性を訴えている。

 調査は昨年5〜8月、ひとり親世帯に無料で食品を配る団体が加盟する「埼玉フードパントリーネットワーク」と共同で実施し、支援を受ける約1400世帯から回答を得た。9割近くがシングルマザーで、離婚者の約7割が養育費を受け取っていないと回答。収入別では半数ほどが年収200万円未満だった。

 自身の精神状態について「自分は価値のない人間だと感じた」「何をするのも面倒だと感じた」など六つの指標にどの程度当てはまるかを尋ね、ストレス度を測った。ストレスが大きく、うつや不安障害が疑われたのは53・5%で、このうち半数超に重度の疑いがあった。何らかの問題を抱えている可能性がある保護者も24・6%に上った。