東京都は3日、水素で走る燃料電池車(FCV)のタクシーの出発式を都庁で開いた。水素は二酸化炭素(CO2)を排出しない燃料として注目される。タクシー事業者を中心に補助金を出すことで、2030年度までに約600台の導入を促す。トヨタ自動車など多くの企業で構成する団体「水素バリューチェーン推進協議会」も協力する。
商用車は走行距離が長いため、燃料電池車にすれば脱炭素への貢献が大きい。出発式に出席した小池百合子知事は「水素は社会を持続可能に発展させるエネルギーで、タクシーは水素を身近に感じてもらえる乗り物だ」と強調した。都は本年度、車両導入費や燃料費の補助を始める。
この日公開されたのはトヨタの高級車クラウンのタクシーで、優れた静粛性と滑らかな乗り心地が特徴。トヨタとして本年度中にFCVを200台提供する。
来年には複数の配車アプリでFCVを指定できるようになる見込み。補給場所の少なさが指摘されるが、岩谷産業の牧野明次会長は「都内に水素ステーションは約20カ所あり、十分に充填は可能だ」と説明した。