(左から)中谷元・防衛相、韓国の安圭伯国防相(聯合=共同)

 日本と韓国の防衛担当閣僚が、相互に訪問し、会談を定例化する方向で調整していることが分かった。中谷元・防衛相は早期に韓国を訪れ、安圭伯国防相との会談で合意したい考え。複数の日本政府関係者が4日、明らかにした。地域の安全保障環境が厳しさを増す中、首脳の「シャトル外交」に続き、閣僚同士でも緊密な意思疎通を図る狙いがある。

 防衛相の訪韓が実現すれば、2015年以来約10年ぶりで、15年当時も中谷氏が防衛相を務めていた。中谷、安両氏の対面での会談は、安氏が今年7月に就任して以降初めて。

 日本側は、6月に発足した李在明政権下でも両国の安保協力を強化する方針を確認したい意向。北朝鮮の核・ミサイル開発や、北朝鮮とロシアとの軍事協力進展など共通の懸案について認識を擦り合わせ、日韓、日米韓連携の重要性共有を目指す。

 日韓の安保関係では韓国海軍艦艇が18年、海上自衛隊機に火器管制レーダーを照射した問題で悪化した。日本側の抗議に韓国側は照射を否定。その後、両国関係が改善し、24年6月の防衛相会談で再発防止に合意した。