日本製鉄の橋本英二会長は4日、共同通信とのインタビューで、買収した米鉄鋼大手USスチールの再生について「日本から技術者を送り込むことが核になる」と述べた。日鉄の技術を思い切って投入することで、品質向上と設備更新による改革を加速し、衰退する米製造業の復活につなげる。
USスチールが本社を置くペンシルベニア州ピッツバーグの名門、カーネギーメロン大とも連携し、鉄鋼産業に関わる技術系人材を育成する。USスチールの生産設備などに約110億ドル(約1兆6千億円)をかける投資計画も動き出す。
橋本会長によると、日鉄は第1陣として、技術者を中心に48人を米国に派遣する。30〜40代の技術者から選抜し、順次追加する。大規模な設備更新を実施する場合には、集中的に支援要員を投入する。
「国内で技術者が余っているわけではない。米国に人材を送るためにも、本社や国内製鉄所の技術部門も大きく見直す」と話し、日米一体で改革を加速すると強調した。