福島地裁郡山支部

 福島県郡山市で1月、酒気帯び状態で車を運転し、大阪府から受験で訪れていた10代女性をはねて死亡させたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)と道交法違反(酒気帯び運転)の罪に問われた郡山市の池田怜平被告(35)の裁判員裁判初公判が8日、福島地裁郡山支部(下山洋司裁判長)で開かれた。被告は「赤信号を殊更に無視していない」と故意性を否認し、弁護側は危険運転罪は成立しないと主張した。

 弁護側は酒気帯び運転については認め、危険運転致死傷の要件の一つ「赤信号を殊更無視」を満たすかどうかが争点となる。

 検察側は冒頭陳述で、被告は事故を起こす直前、4カ所の交差点で赤信号を無視したと指摘。それぞれの信号が赤色表示になってから8〜13秒ほど経過しており、「信号表示に従うことができた」として故意に無視したと訴えた。

 弁護側は郡山市内の飲食店で酒を飲んだことを認めた上で、信号無視は飲酒による注意力散漫が原因で、故意ではないとした。