【パリ共同】パリと近郊の複数のモスク(イスラム教礼拝所)で9日、イスラム教徒が不浄とみなす豚の頭部が計九つ放置されているのが見つかった。パリ警視庁のヌニェス警視総監は「卑劣だ」と指摘し、人種・宗教差別を伴う憎悪犯罪の疑いで捜査を始めた。フランスメディアが伝えた。

 フランスは欧州連合(EU)でイスラム教徒の人口が最も多く、イスラエルと米国を除いてユダヤ人の人口も最多。

 2023年10月のパレスチナ自治区ガザでの戦闘開始以降、当局は反ムスリム(イスラム教徒)感情の高まりを警戒。内務省によると、今年1〜5月のイスラム教徒への憎悪に関する出来事は前年同期比で75%増加した。