在日米海軍の空母艦載機による陸上離着陸訓練(FCLP)が17日、山口県岩国市の岩国基地で始まった。訓練に通常使う東京都の小笠原諸島・硫黄島の噴火によるもので、岩国での実施は2000年9月以来。市は激しい騒音をもたらし容認できないとして、実施しないよう求めていた。
米軍が訓練期間とした午後1時半を過ぎると、F35Cステルス戦闘機やFA18戦闘攻撃機が、滑走路に着地してすぐ離陸する「タッチアンドゴー」を繰り返し、周囲は大声でも会話できないほどの爆音が続いた。市と県の担当者は、近くの堤防から状況を確認した。
FCLPは空母艦載機パイロットの練度維持・向上のため、陸上にある滑走路の一部を空母に見立てて離着陸を繰り返す。政府は鹿児島県の馬毛島に滑走路を整備中で、完成すれば硫黄島から移転する。今回の訓練は夜間にも予定され、土日や祝日を除く26日まで。
基地の機能強化に反対する市民団体の久米慶典事務局長(69)は「25年前とは違い、民間機も利用している。市民生活に打撃を与えるすさまじい騒音だ」と反発した。