少子化や大学入試改革で今、高校を取り巻く環境は大きく変化しています。岐阜県内の高校はどう対応していこうとしているのでしょうか。岐阜新聞デジタルは各校の校長らトップにインタビュー。今回は市岐阜商高校(岐阜市)の長澤紀明校長(56)に取材しました。市岐阜商といえば「市岐商デパート」。3年生は前年から準備をするといい、毎年大にぎわいですが、終わった後が大事だと言います。アントレプレナーシップ(起業家精神)の学びも深め、長澤校長は「岐阜市を将来背負って立つ人材を育成する」と力を込めます。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

―市岐阜商の特徴は。
本校は昭和44年、岐阜市の産業、商業を支える人材育成を目的に設立された。岐阜市を背負って立つ人材を育てること、地域に愛され、地域と共にある学校を目指している。
特徴は商業科のみの高校ということだ。商業の資格、スキルを身に付けさせるのはもちろん、部活動も頑張っており、文武両道の学校だ。
本校の一番の目玉は「市岐商デパート」。「社長をやりたい」と入学する生徒もいるほどだ。生き生きと活動する生徒を見ていただきたい。今年も11月3日に行う予定だ。
ー市岐商デパートについて詳しく。

生徒自ら仕入れる商品を決め、交渉し、広告を考える。全生徒がなんらかの役割を担う。1クラス2店舗を出すが、本校の2年生から3年生はクラスが変わらないので、3年生は前年から市岐商デパートの準備ができる。その分、企業と共同で商品開発ができる。商品のアイデア、試作を企業と生徒が一緒に考える。
市岐商デパートの学びで一番大きいのは、開催後だ。生徒たちは翌年に向けて改善を図る。昨年課題になったのはキャッシュレス決済だった。一部のキャッシュレスサービスが使えなかったり、機器が15台分しか用意できなかったり課題があった。導入するために機器はどうする、費用はいくらか、どうすれば導入できるか、を考えないといけなかった。生徒たちがこの1年間取り組んだおかげで今年は全店舗でキャッシュレスを使える予定だ。
―商業を学ぶ生徒たちにとってどんなイベントか。
マーケティングや商品の仕入れも発見や学びの場になっている。...