米航空宇宙局(NASA)は23日、米主導の国際月探査「アルテミス計画」で初の有人ミッションとなる月周回飛行を、早ければ2026年2月に実施すると表明した。最も早い打ち上げ機会は2月5日に訪れる。南部テキサス州のジョンソン宇宙センターで幹部が記者会見し「26年4月まで」との従来目標は維持しつつ「準備の加速に取り組んでいる」と語った。
26年の飛行では月面には着陸しない。現時点では27年半ばにアポロ計画から半世紀以上ぶりとなる有人月面着陸を目指すが、スペースXの着陸船は完成のめどが立っていない。一方、中国は30年の月面着陸を掲げる。
アルテミス計画の第1段階は巨大ロケット「スペース・ローンチ・システム」と宇宙船オリオンによる月周辺への無人飛行試験で、22年に実施した。
第2段階の26年は米国とカナダの飛行士計4人がオリオンに乗り、南部フロリダ州のケネディ宇宙センターを出発。月の周辺を巡り、西部カリフォルニア州沖に着水する。旅程は10日間。月の裏側を超えて人類が最も遠くまで飛行する記録になる見込みだ。