大手化学メーカー「ダイキン工業」の工場が立地する大阪府摂津市の地下水から、一部物質で発がん性が懸念される有機フッ素化合物(PFAS)が検出された問題を巡り、近隣住民らが同社に健康調査や汚染対策などを求めて公害調停を申請する方針を固めたことが24日、分かった。住民側弁護団によるとPFASに関する公害調停は全国初。申請人は数百人規模の見通しで、年度内に大阪府公害審査会へ申請する方向で調整中だ。
弁護団の望月康平弁護士は取材に「企業として周辺住民への責任を全うしてほしい」と話した。
公害調停は公害に関する紛争を迅速かつ適正に解決するための公害紛争処理手続き。国の委員会や自治体の審査会が当事者間を仲介する。
調停では(1)PFAS汚染などに関する調査資料開示(2)住民の健康調査(3)工場周辺の土壌・地下水と地盤沈下に関する環境調査―などを求める。さらに、住民との連絡協議会を設置し汚染対策と補償を要望する方針。
ダイキンは摂津市の淀川製作所で、PFASの一種であるPFOAを取り扱っていた。