自民党総裁選に立候補した小泉進次郎農相の陣営による投稿要請が、「まるでステルスマーケティング(ステマ)ではないか」と批判を浴びている。この手法を使えば、隠れた狙いに気付かないまま、人々が誘導される恐れがある。識者は「国民は何を信じればいいのか、分からなくなる。政治への信頼が揺らぐ」と指摘する。
ステマとは、主にインターネットで広告だということを隠してひそかに商品やサービスを宣伝する手法。著名人やタレントが企業から報酬を得ているのに、個人の感想のように交流サイト(SNS)に書き込むなどしていたことが問題となった。消費者の判断が揺らいでしまう恐れがあり、ビジネスの分野では景品表示法で規制している。
今回の投稿要請にあった「参考文面」には「泥臭い仕事もこなして一皮むけたのね」「ビジネスエセ保守に負けるな」などと個人の感想と読める内容が多く含まれていた。
動画サイトの投稿だけを見れば、それが陣営関係者によるものか、一般の自由な感想なのかは判別できない。こうした点が「ステマ」に類似していると批判が強まっている。