日本航空のロゴ

 日航国際線の男性機長=懲戒解雇=が8月、乗務前日に飲酒しハワイ発の3便が遅れた問題で、同社は30日、肝機能の悪化を示す数値が一定を超えたパイロットは乗務不可とするなど、健康情報に基づく管理強化を柱とした再発防止策を国土交通省に提出した。該当する6人を既に乗務から外した。

 防止策では、これまで会社側が一方的にルールや処分の厳格化を進めたことに問題があったとし、労使で協議する専門委員会を設けて飲酒問題の根絶を目指す。全運航乗務員が社長ら経営側と対話する機会を設けるなど、アルコールに関する意識改革や教育も重視する。

 日航によると、機長は現地時間8月28日のホノルル発中部行きに乗務する前日、ホテルでビールを3本飲んだ。当日の自主検査でアルコール検知が続いたため乗務を取りやめ、3便が最大18時間以上遅れた。

 国交省は9月10日、「社員に安全意識が徹底されていない」として厳重注意し、再発防止策を出すよう求めていた。