またしても〝4強の壁〟に阻まれた。国民スポーツ大会高校野球硬式第2日は30日、大津市のマイネットスタジアム皇子山で準決勝を行い、16年ぶりの国スポ(国体)制覇を狙った県岐阜商は、山梨学院に4―10で敗れ、3位となった。甲子園に続いて準決勝で涙をのんだが、2人目以降の投手力強化と打線の対応力、そして底抜けの明るさと、新チームがいかに全国4強の壁を乗り越えるかを、躍進の3年生からしっかり受け継いだ実りある大会だった。

国スポで3位になり、笑顔で表彰式の行進を行う県岐阜商ナイン=皇子山

◆柴田に次ぐ投手「スピードアップを」 躍進の立役者、捕手小鎗が新チームに期待

 準決勝の先発は2年生左腕・豊吉勝斗。連投の柴田蒼亮は休ませ、試合展開によっては最後に登板するゲームプランだった。だが豊吉は「球はきていたが、コントロールが今一つだった」と捕手小鎗稜也が振り返る内容。甘い球を強打の山梨学院打線に痛打され、初回は2死満塁、二回は2死二塁とピンチの連続。三回には連続四球を与えた後のバント処理を豊吉自らがミスして先制点を与えると、スクイズで加点。全国注目の2年生二刀流の菰田陽生に左前適時打を打たれ、3点目を献上した。

山梨学院×県岐阜商=2番手で登板し、2失点したものの力投した3年生右腕の今津翔太

 四回表からマウンドに上がったのは1回戦で最後の1人だけだったが、念願の全国のマウンドに立った3年生右腕今津翔太。立ち上がりからストレートが走り、130キロ後半を連発して連続三振、右飛で三者凡退の最高の立ち上がりだった。その流れで裏に打線がつながって2点を奪い、1点差とした。

 しかし、五回には3、4番に連打を浴び、犠打、内野ゴロの間に1点を奪われると、またしても菰田。右中間に強烈な二塁打を浴び、再び2―5と差を広げられた。

 六回からは甲子園で3回戦明豊(大分)戦、準々決勝横浜(神奈川)戦の無失点快投が光った2年生左腕渡辺大雅が登板。だが、初戦敗退を喫した秋季岐阜県大会の岐阜総合戦同様に、制球が甘く、痛打され、5失点を喫した。

 「改めて柴田一人ではベスト4の壁が越えられないことが明らかになった」と語るのは、...