横浜市の日産スタジアム=9月

 日産自動車は3日、サッカーJ1の横浜F・マリノスを運営する横浜マリノス(横浜市)の株式売却検討に関し「筆頭株主であり続ける」とのコメントを発表した。地元・神奈川県と横浜市への地域貢献を考慮し、マリノスの身売りを否定した。一方で「株主構成の強化について積極的に検討している」と表明し、一部株式の売却を示唆した。

 日産は横浜マリノスの約75%の株を保有する親会社で、マリノス株をノジマなどに売却を打診したことが表面化。日産は業績不振でリストラを進めており、保有資産の見直しを進めている。

 マリノス株売却については、地元住民やサポーターから反対の声が上がっていた。売却額は最大で数十億円規模とみられ、日産の事業規模から見ると財務面の効果は限定的との見方もあった。

 横浜F・マリノスは、日産自動車サッカー部が源流。リーグ優勝は5回あり、多くのスター選手を輩出した。

 日産は2025年3月期連結決算で純損益が6708億円の巨額赤字に陥った。国内外で七つの車両工場と2万人の従業員の削減を柱とする再建計画に取り組んでいる。