【ジャカルタ共同】インドネシアのプラボウォ大統領が就任して20日で1年。経済停滞などを背景に抗議デモが多発し、肝いり政策の給食無料化は食中毒が相次ぎ、国民は不満を募らせている。来年には大統領侮辱罪が導入され、強権化の懸念も。
インドネシアでは8〜9月、高額な国会議員の住宅手当を巡って、学生ら若者を中心とするデモが全土に広がり、10人が死亡する事態となった。学生らが求めた改革の大半が未達成の中、議員が休会ごとに受け取る手当が、5月から7億200万ルピア(約684万円)とほぼ倍増していたことが新たに判明。学生団体はさらなる抗議デモを呼びかけている。
給食無料化では教師連合などの組織でつくる「教育監視ネットワーク」によると、1万人超が食中毒になった。プラボウォ氏は「0・0007%に過ぎない」と一蹴。給食事業だけでも150万人の雇用を生んでいると自賛する。
来年1月には、大統領侮辱罪を新設した改正刑法が施行。正副大統領の品位を傷つけた場合、最大禁錮3年が科され、恣意的な運用が懸念されている。