国産AI開発の主な動き

 NTTは20日、自社で開発した新たな大規模言語モデル(LLM)に基づく生成人工知能(AI)サービスの提供を始めたと発表した。米国発のサービスが市場を席巻する中、入力情報の海外流出を防ぎたい日本企業や自治体の需要を取り込む。国産の生成AIは海外製と比べ、日本の制度や習慣の理解が深いのが特徴で、開発の動きが相次いでいる。

 NTTの「tsuzumi(つづみ)2」は金融や医療機関、自治体で使われる業界の知見を学ばせ、2024年の初代モデルから専門的な業務への対応力を高めた。主に英語データを学習させた米オープンAIや米グーグルのLLMと比較しても、日本語の能力では引けを取らないという。

 東京都内で記者会見したNTTの島田明社長は「良質な日本語データを活用し、日本の文化や習慣を深く理解している」と説明した。

 プリファードネットワークス(東京)とさくらインターネット、情報通信研究機構(NICT)の3者は9月、国産生成AIの開発などで基本合意した。