「(投手四天王の)核となるエースの確立」と「打線の破壊力アップ」。第78回秋季東海高校野球大会第3日は愛知県の刈谷球場で準決勝2試合を行い、岐阜県1位の大垣日大は4―6で中京大中京(愛知1位)に惜敗した。勝てば来春のセンバツ出場が濃厚となったが、東海枠は3で、もう一方の準決勝で聖隷クリストファー(静岡1位)が三重(三重1位)に2―10で七回コールド負けしたため、大垣日大の2年連続のセンバツ出場が有力視される。大垣日大の今チームの伸びしろは、計り知れないだけに、秋季東海2連覇こそ逸したものの、来春のセンバツに向け、高橋正明監督が投打の課題を明示したように収穫の大きな大会となった。(岐阜新聞デジタル独自記事です)
◆先発竹岡と継投の中村、粘りのマウンドも失点重ねる
「投手4人の中で、誰よりもまずは谷之口と言ってもらえる存在になる」。悔しい敗戦後、エース谷之口翔琉は唇をかみしめた。
高橋監督が語った「核となるエースの確立」を本来、担うべき存在はエースナンバーを背負う谷之口のはずだった。昨秋、東海を制し、今春のセンバツ出場に大きく貢献した谷之口。肝心のセンバツではひじ痛のため、憧れの甲子園の舞台に立てず、順調に回復しつつあったが、今夏は岐阜大会でチームが早期敗退したため、登板は1回戦のわずか1イニングのみだった。
新チームでも背番号は1ながら四天王の残る3人のチームメートが成長。その中で、エースは練習試合でも岐阜県大会でも、調子よく投げていながら、時折、四死球を連発するなど安定に欠く投球だった。谷之口自身は「体が開いたり、突っ込んだり、上半身と下半身のバランスが悪くフォームが定まらなかった」と分析。それでも「腕がしっかり縦に振れ、ストレートがきれいに縦回転にするようになって調子が上向いてきた」と振り返る上昇曲線だった。
だが、3人の中でも特に同じ左腕の竹岡大貴が谷之口を上回る安定ぶりで、県決勝、東海初戦の準々決勝で完投勝利。勝てばセンバツ濃厚の準決勝でも先発に指名されたのは竹岡だった。
「気持ちの上で初戦とは違ったプレッシャーがあって、思うようにストライクが取れなかった」と竹岡が振り返るように初回3連打で1点を失うと、二回には無四球だった初戦の東邦戦と打って変わって、二つ四球を出し、暴投で2失点目。3―2と逆転した直後の四回には2死無走者から、出した四球走者を連打でかえされて同点。なおも2死一、三塁で継投のマウンドに上がったのは、谷之口ではなく、長身左腕の中村晃輔だった。
谷之口は復調したものの、逆に...









