大手生命保険5社が日銀の本年度中の追加利上げについて、12月か来年1月に1回と予測していることが28日、分かった。高市早苗首相は積極財政を志向するとみられ、日銀が利上げに慎重になるとの見方が市場で広がっていた。生保各社は運用している日本国債の金利が既に利上げ予想を織り込んで上昇傾向にあることから、低金利の国債を売却して新たに買い入れなどを進める方針だ。

 各社が2025年度下期の運用方針説明会で明らかにした。

 日本生命保険は12月か来年1月の利上げを想定。都築彰執行役員は記者会見で「高市氏の金融政策は緩和的だが、それが日銀に影響を及ぼすことはないと考える。両者で情報共有し、日銀が経済や物価の状況次第で判断するだろう」と述べた。

 明治安田生命保険は来年1月と予想。これまで今年10月29、30日の金融政策決定会合での利上げも想定していたが、21日の政権発足から間もないため「政権の安定度を推し量るだろう」(北村乾一郎執行役員)とした。