3日、米サンフランシスコで開催されたイベントで話す民主党のペロシ元下院議長(AP=共同)

 【ワシントン共同】米野党民主党の重鎮ナンシー・ペロシ元下院議長(85)は6日、来年11月の中間選挙の下院選に出馬せず、政界から引退すると表明した。ペロシ氏は女性として米史上初めて下院議長を務め、共和党のトランプ大統領と激しく対立してきた。民主党指導部は高齢化が進んでおり、ペロシ氏の引退表明を機に世代交代を求める声が一層拡大する可能性がある。

 地元西部サンフランシスコの選挙区で民主党の若手が立候補を表明し、ペロシ氏の去就に注目が集まっていた。

 ペロシ氏は6日、地元有権者に向けた動画声明で「下院への再選を目指さない」と語った。「私たちは歴史を刻み、進歩を遂げ、常に先導してきた」と強調。「米国の理想」のために闘い続けるよう有権者に求めた。

 ペロシ氏は1987年に下院議員に初当選。女性の社会進出を阻む「ガラスの天井」を突き破り、2007〜11年と19〜23年の2回、下院議長を務めた。08年には広島市で原爆慰霊碑に献花。当時は被爆地を訪れた現職米要人で最高位だった。