古都奈良の秋の伝統行事「鹿の角きり」が8日、奈良公園(奈良市)の鹿苑で始まった。逃げるシカを法被姿の勢子が追い込む攻防の末、神職役がのこぎりで角を切り落とすと、会場からは歓声が上がった。
秋に発情期を迎えた雄ジカが攻撃的になり、成長した角で人を傷つけることを防ぐため、江戸時代初期に始まったとされる。和太鼓の合図で角切り場に入ってきたシカを、勢子約20人が赤い旗を振って追い込み、角に縄をかけて押さえ込んだ。
京都市のアルバイト山中美典さん(52)は「近くで見ると、追い込まれて駆けていくシカの迫力がすごかった」と声を弾ませた。






