少子化や大学入試改革で今、高校を取り巻く環境は大きく変化しています。岐阜県内の高校はどう対応していこうとしているのでしょうか。岐阜新聞デジタルは各校の校長らトップにインタビュー。学習方針や進路対策、キャリア教育について考えを聞きました。今回は飛騨高山高校(高山市)の神出建太郞校長(57)。実は同校は県内最大規模。飛騨の高校教育のハブ的な存在です。教育の軸に置いているのは「自走力」と「共感力」。「飛騨を支える人材を育成するのが本校の役割だ」と神出校長は語ります。(岐阜新聞デジタル独自記事です)

飛騨高山高校岡本キャンパス=高山市下岡本町
 飛騨高山高校 岡本キャンパス(高山市下岡本町)と山田キャンパス(高山市山田町)がある2キャンパス制の県立高校。普通科、商業科(ビジネス科、ビジネス情報科)、生活産業科(生活デザイン科)、農業科(動物科学科、食品科学科、園芸科学科、環境科学科)の4大学科8小学科があり、全日制のほか定時制、通信制もある。愛称は「やまこう」。

 ―飛騨高山高校の特徴は。

 本校は県内最大級の高校だ。2キャンパスに4大学科がある。全日制、定時制、通信制で生徒は約1千人。敷地は約35ヘクタールあり、東京ドーム約7.4個分と広大だ。

 高山市が所有する施設も含め、グラウンド3面、3体育館、2格技場などで部活動を行う。部活動は運動系が13、文化系が17の合計30ある。男女を分けるともっと増える。女子ハンドボール部が全国総体に出場するほか、スキー部も全国レベル。商業リサーチ部では経営学者のドラッカーを学んでいる。

 本校の強みは、多様な学びの場があるということ。どこかに自分のやりたいことがある。

 ―飛騨地区で大きな存在感がある。

 飛騨地区の今年の高校1年生は約1200人。本校の1年生が約350人なので、飛騨の高校生の3人から4人に1人は本校の生徒だ。

 飛騨を支える人材を育成する。それが大きな役割だと思っている。卒業生にも応援されている。昨年度の求人倍率は32.5倍だった。

 飛騨高山ふるさと企業・OB&生徒交流会を同窓会が開いている。卒業生が勤めている地元の約40社が来てくれ、飛騨の魅力的な企業を教えてくれる。進学希望の生徒も出席する。

 飛騨には四大がない。本校の生徒の6~7割が進学するが、就職も合わせて8割程度の生徒が卒業後には外に出て行く。だが、大学卒業後などに戻ってきてくれる生徒は多い。ふるさとの魅力に気付くと戻ってきてくれる。ふるさとのことをよく知ってもらいたいと思っている。

 
 かみで・けんたろう 飛騨市古川町出身。教科は農業。郡上高校教頭、県教委総合教育センター長心得兼教育研修課長などを経て2023年度から現職。

 その手段が探究学習だ(専門科は課題研究)。飛騨を題材に学んでいる。...