岐阜地裁
岐阜刑務所受刑者による提訴について会見するNPO法人監獄人権センターの大野鉄平事務局長=8日午後、岐阜市内

 岐阜刑務所の70代の男性受刑者が8日、自力で歩くのが困難なのにもかかわらず、長期にわたって刑務所で車いすを貸与されず、入浴や屋外での運動に支障が出て、精神的苦痛を受けたとして、国に154万円の損害賠償を求めて岐阜地裁に提訴した。

 訴状などによると、男性は2011年1月に岐阜刑務所に入所。車いすの貸与を繰り返し申し入れたが拒まれ続け、歩行器の使用が許された14年12月まで屋外での運動ができなかった。歩行器を使うと肘が部品にすれて出血するなど苦痛が生じ、入浴場や運動場へ移動する時に痛むため、15年11月に改めて車いすの使用許可を求めたが、認められなかった。21年2月、車いすの貸与が許可された。申請が認められなかった理由は刑務所から開示されていないという。

 岐阜市内で同日、会見した、代理人弁護士でNPO法人監獄人権センター(東京都)の大野鉄平事務局長は「受刑者の高齢化が進んでおり、自力で歩けなくなっているのは原告だけではない。主張が認められれば全国にも影響を与える」と話した。

 岐阜刑務所は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。