数学のノーベル賞とも称される「アーベル賞」を日本人で初めて受賞した京都大の柏原正樹特任教授(78)が28日、京大で研究者や学生ら約300人を前に講演した。5月にノルウェー・オスロで行われた授賞式以降、国内での講演は初。柏原さんは冒頭「今まで50年以上やってきた研究を顕彰していただいた」とあいさつした。

 オスロでの受賞記念講演と同じテーマで展開した。数学の「解析学」「幾何学」「代数学」の三つの分野を結び付けて研究してきた来歴を説明し、今関心のある「非可換モノイダル圏」という研究テーマを論じた。

 講演後、柏原さんは「あと10年くらいは研究したい」と意欲を見せた。