PCV2に強い豚の塩基配列の違いについて説明する担当者=19日午後、県庁

 岐阜県畜産研究所(関市)は19日、豚のウイルス性疾患の「豚サーコウイルス2型(PCV2)」に感染した子豚について、生死に関係するDNAの塩基配列の違いを初めて特定したと発表した。県の開発した種豚「ボーノブラウン」の改良に活用し、PCV2に強い種豚として県内の農家に種豚や人工授精用精液を供給し、ブランド豚の安定生産につなげる。

 PCV2は、肺炎や下痢などを引き起こし、死産や離乳後の子豚の死亡が多くなる疾病。国内の陽性率は8割を超え、ワクチンはあるが高価という。

 県畜産研究所は、PCV2が流行した際、同じ環境で育った子豚の中でも生き残りやすい豚と死亡しやすい豚がいることに着目。個体情報を収集し、塩基配列との関係を調べた。研究には、農業・食品産業技術総合研究機構(茨城県)や東北大学が協力した。

 生き残りやすいDNAの塩基配列を「エイル(EIR)」と命名。今後、種豚の遺伝型を調べて交配を行い、エイルを持った子豚を次世代の種豚として選抜する。死産数が減ることで、経済効果は県全体で年間約1億円と試算する。

 研究所の種豚「ボーノブラウン」は、豚熱(CSF)の発生で殺処分されたが、2024年度までにエイルを持つボーノブラウン10頭を育てる方針。研究所の吉岡豪主任専門研究員は「肉質のいいボーノブラウンに加えて、エイルを持つ種豚や人工授精用精液の供給の準備を進め、農家に『エール』を届けたい」と話した。