缶サット甲子園全国大会で初優勝し、喜ぶ宇宙工学研究会の部員たち=本巣市上真桑、岐阜工業高等専門学校

 高校生が空き缶サイズの模擬人工衛星「缶サット」を打ち上げ、技術力などを競う「缶サット甲子園全国大会」で、岐阜工業高等専門学校(岐阜県本巣市上真桑)の宇宙工学研究会が初優勝した。3年前の先輩から機体を引き継ぎ、年々改良を加えてついに届いた頂点。部員たちは「先輩たちからの積み重ねが報われてうれしい」と喜んだ。

 大会は千葉県で開かれ、地方大会を経て選ばれた高校、高専14校が出場。独自のミッションを設定した缶サットを手作りのロケットに搭載して打ち上げ、放出、降下、着地に至るまでの技術力や創造性を競う。

 同研究会は「月面から星空を撮る」というミッションを設定し、小型カメラと車輪を備えた缶サットを開発。2019年から大会に挑んできたが、ミッションは失敗が続いた。そこで、チームリーダーの加藤雅姫(みやび)さん(18)=電気情報工学科4年=は「成功率を上げるため、機体の設計から見直した」と大幅な改良を決断。着地後に切り離したパラシュートに絡まらないようセンサーを追加し、撮影ポイントまで確実に自走できるよう重心を下げて安定感を高めた。

 事前のテスト実験ができず、ぶっつけ本番の打ち上げとなったが、予定していた動作は全て成功。50メートル以上の高さから降下、移動して8方向16枚の写真を撮影するというミッションを完遂した。審査を担当した宇宙飛行士の山崎直子さんらからは、ミッションを成功に導いた今回の改良点が高く評価されたという。

 今回の優勝などこれまでの活動実績が認められ、同研究会は4月に同好会から部に昇格。本年度は大学生も参加するよりハイレベルな「種子島ロケットコンテスト」に挑戦する計画だ。部長の櫻井晴生さん(18)=機械工学科4年=は「部として成長を続け、高専生ならもっと上を目指せるというところを見せたい」と意欲を新たにしていた。