真横に埋まった発見時の状況(岐阜県瑞浪市提供)
掘り出された四耳壺を手にする工藤雅子さん(右)、横山美代江さん
発見された四耳壺の様子。線がある一部が落ち葉に埋もれた状態で見つかった=岐阜県瑞浪市釜戸町(瑞浪市提供)

 岐阜県瑞浪市を代表する観光地の一つ、竜吟峡(釜戸町)の遊歩道でハイキング中の女性グループが埋まっているのを見つけたつぼが、21日までに、室町時代の古瀬戸の「鉄釉四耳壺(てつゆうしじこ)」であることが分かった。欠けたところのなく完全な形で、線状の装飾が入ったものは珍しいという。女性らは「遊歩道の真ん中で見つけるなんて」と驚いている。

かんたん検索! 岐阜県・東海のイベント お出かけ情報総合サイト「ぎふっと!」

 発掘した市教育委員会が発表した。5月22日まで、市陶磁資料館(同市明世町)ロビーで展示する。

 市教委の砂田普司学芸員によると、発見されたのは高さ38.7センチ、最大径28.5センチのつぼ。肩に四つの半環を持ち、室町時代の15世紀前半から中頃に瀬戸(愛知県)で生産されたとみられる。ひもづくりで全体に線状の模様があり、薄く鉄釉が掛かっている。地中に水平に埋まっており、胴体の一部が地表に露出していた。経典などを入れて宗教的な意味合いで埋めた可能性が考えられるが、現場周辺に手がかりはなく、埋めた時期や目的は不明という。

 発見したのは、工藤雅子さん=同市釜戸町=と横山美代江さん=可児市桜ケ丘=。昨年12月、竜吟の滝に続く遊歩道を歩いていたところ、落ち葉に隠れた足元に「筋のある陶片」を発見。貴重そうだったため市に連絡した。竜吟峡は大小七つの滝が続く渓谷。年間1万人弱が訪れる新緑や紅葉の名所で、地元ではハイキングコースとして親しまれている。

 2人は発掘仲間で、近くの遺跡などで発掘作業に従事している。「日頃から何かないか足元を注意して見ていた」としながらも、「こんなことは初めて。まさかあんな場所で埋まっているとは。踏みつぶされなくてよかった」と話した。