淡いピンクの花をつけたイワウチワ=岐阜県飛騨市神岡町小萱
イワウチワが群生する斜面。淡いピンクの花を咲かせる=15日午後、岐阜県飛騨市神岡町小萱
イワウチワが群生する斜面。淡いピンクの花を咲かせる=岐阜県飛騨市神岡町小萱
峠に向かう「小萱古道」。山林内の旧道を再整備した=岐阜県飛騨市神岡町小萱
林内に再整備された「小萱古道」。多くの山野草が辺りにある=岐阜県飛騨市神岡町小萱

 かれんな花を咲かせる山野草のイワウチワの大規模な群生地が、岐阜県飛騨市神岡町小萱の山林で見つかった。200メートルほどの標高差がある斜面をはい上るように群生しており、辺りは淡いピンクの花々に彩られている。町内の山岳愛好者がイワウチワに寄り添うように林内に延びる旧道を再整備し、イワウチワを見守る。

 イワウチワはイワウメ科の多年草で、葉の形がうちわに似ていることから名付けられたとされる。春に3センチくらいの淡いピンクの花を付ける。

 群生地は同町小萱の標高700メートル余から900メートル辺りの山林に広がっている。小萱の集落近くから標高900メートル余の峠に向かう林内の旧道に沿うように数多くのイワウチワが自生し、花が咲く中を旧道が通る所もある。

 峠は同町小萱と高山市上宝町蔵柱をつないでおり、林内の旧道は移動や物資の運搬に使われたという。地元の小萱区の70代男性によると、旧道は古くからあり、小萱から蔵柱を通って高山市中心部に向かう道だった。かつては地元の人たちで道を整備したが、利用しなくなったことで荒れたという。

 山スキーなどに親しむ飛騨市神岡町館野町の中切誠治さん(80)が小萱区の男性から4年前に旧道の場所を聞き、山仲間と道の草を刈り、倒木などを取り除いたところ、イワウチワの群生地と分かった。旧道は林内で二股に分かれており、中切さんは「小萱古道」の「上道」「下道」と名付け、それぞれ2キロほどの山道を手直ししている。

 小萱古道を上るとショウジョウバカマ、ネコノメソウ、イワナシなどもあり、タムシバも白い花を付けていた。イワウチワは5月中旬まで咲くという。

 中切さんは「古い道をたどろうと草刈りをしたら、たくさんのイワウチワが自生していて驚いた。地元の人はいろいろな花をめでながら歩いたのだろう」とし、小萱区の男性は「以前は多くの人が行き来した道。また歩く人もいるだろうが、花や木といった自然のものはそのままにしておいてほしい」と話した。