下呂温泉街を散策する観光客ら=28日午後4時14分、下呂市湯之島

 29日から始まるゴールデンウイーク中の、岐阜県内観光地の宿泊施設の予約状況が回復基調だ。新型コロナウイルス感染拡大に伴う移動自粛要請があった昨年、一昨年と比べ宿泊者数は大きく増える見通しで、高山、下呂、岐阜市の主要観光地の旅館、ホテルなどからは、「客足が大幅に戻っている」と安堵(あんど)の声が聞かれた。

 国内屈指の観光地、高山市。飛騨高山旅館ホテル協同組合加盟73施設の多くが5月3、4日は稼働率100%近くにまで達している。一方で29日からの3連休は多くが7、8割ほどという。

 市内大手宿泊施設の担当者はコロナ前と比べ「9割5分ほどまで戻った」と強調。29日~4日はほぼ満室、コロナ前の水準といい、5日以降に若干の余裕があるが、ネット予約の特性で直前から埋まりだすと楽観している。古い町並みに近い中堅クラスの旅館の担当者は「昨年、一昨年と比べると雲泥の差。好調だ」としつつも、客の絶対数は以前より少なく値引きをせざるを得ない状況といい「体力勝負が続く」ともこぼす。

 間もなく伝統の長良川鵜飼が始まる岐阜市。旅館十八楼(同市湊町)は連休期間中、約100室の9割ほどが埋まり、満室の日もある。おかみの伊藤知子さんは「まずまずの予約数」と手応えを語る。宿泊客が無料で参加できる「まち歩き散策ツアー」が好評で「自粛疲れもあってか、保養も兼ねて自然豊かな場所を求めているお客さまが多い」と話す。

 長良川観光ホテル石金(同市長良)は5月2~4日は満室だが、連休明けの予約状況が芳しくないといい、永瀬洋平専務は政府の観光キャンペーン「Go To トラベル」に触れ「より良い制度で再開してほしい」と望む。

 東海地方の若い世代を中心に人気がある下呂市の下呂温泉。旅館睦館(同市幸田)は連休中は29日からほぼ満室。齋藤慎司販売企画室長は「連休中だけ見れば、コロナ禍前に近くなった」と話す。コロナ禍を経て、少人数の旅行スタイルへの変化が顕著という。

 同温泉旅館協同組合によると、連休中の加盟旅館はどれも満室状態。昨年も県独自の非常事態宣言が出ていた中でも多くの宿泊客が訪れたが「昨年よりもさらに多い」と担当者は喜ぶ。連休後には県民割が再開される見込みで、宿泊者数の回復にさらに期待がかかるが「感染状況次第ではストップがかかるかもしれない」と懸念も示す。