熊本県氷川町役場でひとり親に弁当を手渡す柳原志保さん=8月

 被災地のひとり親家庭を支えたい―。熊本地震で震度7を観測した熊本県氷川町で、防災士でシングルマザーの柳原志保さん(53)=同県和水町=が尽力している。自身も2011年の東日本大震災では宮城県多賀城市で被災、その後に移住した熊本県でも16年に地震に遭った。子どもを抱えての避難生活で苦労した経験から、支援物資の手配に取り組んでいる。

 「子どもを見ながら働かなければならず、支援物資を取りに行く余裕がない」。氷川町で8月23日に開いたひとり親家庭向けの相談会で、参加者から悲痛な声が上がった。

 柳原さんは、ボランティア団体やひとり親世帯の会と連携し、町役場で物資を渡すことを企画。参加者らが勤務先から帰宅する時間帯に立ち寄ってもらい、栄養バランスを考慮した食材をまとめたセットを配布する準備を整えた。

 8月28日の配布会には、多数が子連れで訪問。40代のシングルマザーは「普段は物資を取りに行く時間が遅く、種類や数が少なかった。今回は栄養のある食材を十分受け取れた」と感謝した。