美人画で知られる画家竹久夢二(1884〜1934年)の未公開の作品が見つかり、竹久夢二美術館(東京都文京区)で2日、報道陣に公開された。うちわを手にした舞妓を描いた作品で、死去の前年にドイツで制作されたとみられる。担当学芸員は「外遊中の作品は行方不明のものが多く、貴重な発見だ」としている。3日から一般公開される。

 見つかったのは「鴨河夜曲」と題された縦約56センチ、横49センチの日本画。大文字山や五重の塔などを背景に、京都・鴨川沿いに座る着物姿の舞妓が描かれている。伏し目がちで長い首の典型的な「夢二式美人」だ。徳重美佳学芸員は「玉虫色に輝く着物が印象的。墨の使い方などに晩年の技術の高さが表れている」と話している。

 美術館は、筆遣いや落款から夢二が欧州を訪れていた33年ごろ、ベルリンで描かれたと推定。現地で夢二と交流があった日本企業の駐在員が譲り受け、その後日本に持ち帰った可能性が高いという。駐在員の孫から昨年寄贈を受けた美術館が調査を進めていた。