岐阜県が一度は設置を認めた産業廃棄物処理施設の建設計画に関し、中津川市福岡の住民ら174人が、構造に問題があるとして許可取り消しを求めた訴訟で、県に許可を取り消すよう命じた岐阜地裁の判決を受け、県は20日、控訴しないと発表した。

 古田肇知事は、「県としては適切に審査を行ったと考えているが、当該企業は既に清算されており、本件処分を維持する意味がないため、控訴しないこととした」とコメントした。住民らでつくる原告団代表の野田契子さん(76)は取材に「ずっと翻弄(ほんろう)されてきたので、喜びもひとしお。長い長い闘いがようやく終わった」と語った。

 判決などによると、中津川市の産廃事業者が、2009年に申請した処理施設の設置許可を県が10年に取り消したことに不服を申し立て、国が13年、県の不許可を取り消した。住民側は建設を認めた国の決定の撤回を求め提訴、19年に敗訴が確定したが、県に対する訴訟では、岐阜地裁が判決で「採算性が疑われ、維持管理を的確かつ継続して行えるとは認められない」などとして、許可の取り消しを命じていた。処理施設は着工されていない。