岐阜県瑞穂市は9月から、保育所の入所選考に人工知能(AI)システムを県内で初めて導入する。子育て世帯が多い同市では毎年多くの入所申し込みがあるが、保護者の就労状況や家庭環境などに応じた施設の振り分けを職員の手作業で行っていた。システムは複雑な条件でも正確な選考が可能で、より早く保護者に結果を通知できる。

 瑞穂市は若者世帯が年々増加する地域で、毎年500人前後が入所を希望する。市内には公立と私立の計15園があり、仕事の状況やきょうだいの有無など、優先する条件に応じて振り分ける。9月に保護者が第1~5までの希望施設を市に提出し、12月に結果が通知されていた。選考の遅さに不満を漏らす保護者も少なくないという。

 同市では、幼児教育課の職員計4人が10~11月の間、希望者のデータをパソコンに入力。条件の優先順位に応じて点数化し、入所先の保育所を決めていた。ただ、同点になるケースもあり、職員がもう一度優先事項を見直し、振り分ける必要があった。同課によると、作業期間内は毎日時間外労働しても追いつかず、総計約320時間かかっていたという。

 AIシステムは、優先項目がボタンになっており、入力すれば自動的に点数を算出できる。同点になった場合は、瑞穂市の職員の選考傾向を学習し、振り分けていく。同様のシステムは、愛知県幸田町や滋賀県湖南市などが導入しており、他市町の事例も学習し、応用できる。

 今年は手作業と併用し、2週間程度の短縮を目指す。将来的にはAIのみに移行し、1カ月以上早く保護者に結果を通知できるようにする。幼児教育課の今木浩靖課長は、通知が早くなれば、希望の園に入れなかった場合に次の対応がしやすくなるとし「職員だけでなく保護者のメリットにもなる」と話した。