車道に倒れた岐阜市指定史跡「御薗の榎」=同市若宮町
倒れる前の岐阜市指定史跡「御薗の榎」=同市若宮町

 岐阜市は30日、織田信長が保護した「楽市場」の場所を伝える同市若宮町の市指定史跡「御薗(みその)の榎(えのき)」が、根元から2・5メートルの高さで倒れたと発表した。樹齢は推定170年で、「幹内部の腐食による空洞化が原因」とした。幹の空洞化でさらなる倒木の恐れがあるため、根元から1メートルの高さで伐採した。

 エノキは樹高10~15メートル、幹の太さは高さ1メートルの箇所で直径1メートル。橿森神社の前にある。1957年に史跡の指定を受けた。車道側に倒れ、けが人や周辺の民家への影響はなかったという。業者が、害虫駆除と枝切りで年2回、木の状態を確認していた。最近、幹の腐食がひどくなったため、29日に樹木の専門家らと処置を話し合ったという。

 市の担当者と現場を訪れた岐阜大社会システム経営学環教授の肥後睦輝さんは「根元から高さ3メートルにかけて内部が腐り空洞化していた。幹の表面の厚さ約10センチの部分で木全体を支えている状態だった」と説明。ここ数日の猛暑の影響については「木の生育に環境が関係してくるのは年単位なので、暑さの影響はゼロパーセントと言っていい。樹齢が進んだ木は、雨水から菌が侵入するなどして空洞化していくもの」と語った。

 エノキは楽市場の入り口に、市を守る神として植えられていたと伝わる。1852年に1代目が枯れた後に今回倒れた2代目が植えられ、明治初期に数百メートル離れた現在地に移植された。